目で見て分かる肉眼的血尿があり、排尿痛などの症状がない場合には、膀胱がんや腎盂・尿管がんなど のチェックが必要です。当院では開院以来9年間で、約150例の膀胱がんや腎盂・尿管がんを診断してきました。超音波検査や尿細胞診で診断がつくケースがほとんどです。痛くないから血尿を放置する、というのは大変危険です。どうぞ気軽に専門医を受診されることをお勧めします。
自分では気がつかないが、尿検査で指摘される血尿を、顕微鏡的血尿・尿潜血と言います。 ほとんどは 病的なものではありませんが、一般的に、約0.5%に膀胱がんや腎盂・尿管がんが発見されるとされています。 当院では開院以来9年間で、 顕微鏡的血尿・尿潜血から膀胱がんや腎盂・尿管がんと診断した患者さんが約30人おられます。超音波検査と尿細胞診が基本で、特に難しい検査は必要ありません。尿潜血だけだから安心、と思わず、気軽に受診されることをお勧めします。
男性女性を問わず、泌尿器科に初診で来られる患者さんの約半数は、頻尿・夜間頻尿を訴えて受診されます。頻尿の原因の約半数は、水分の摂りすぎによるものです。しかし、患者さん自身で水分の摂りすぎを自覚されていない方がほとんどです。頻尿の原因となる疾患では、男性では前立腺肥大症、女性では過活動膀胱などがあります。内服治療により、症状の改善が期待できます。当院では、尿検査と簡単な超音波検査で診断し、適切な飲水指導と内服で治療しています。
急にトイレに行きたくなり、尿を我慢するのが難しく、トイレに間に合わず漏らしてしまう患者さんは、非常に多いです。これを切迫性尿失禁と言います。女性に多いですが、前立腺肥大症のある男性患者さんにも多いです。切迫性尿失禁の患者さんのほとんどは、過活動膀胱治療薬により症状は軽快します。 一方、くしゃみや咳などで尿をもらしてしまうのが腹圧性尿失禁で、出産を経験した女性に多く見られ ます。骨盤底筋体操や内服によりかなり軽快しますが、尿もれが多い場合には、手術で治療する場合も あります。当院では、専門の看護スタッフにより、骨盤底筋体操の指導を行っていますので、お気軽にご相談下さい。
尿が出にくい、という症状は男女を問わず年齢とともに増加します。男性では,前立腺肥大症や前立腺癌が原因となることが多いですが、前立腺のない女性でも決して珍しい症状ではありません。若い女性では、排尿時間は通常20 秒程度とされていますが、排尿時間が長いと感じる女性患者さんでは、残尿の有無などのチェックが必要です。当院では超音波検査で簡単に残尿測定し、適切な内服治療を行っております。
50代以上の男性の多くがこの疾患になると言われています。年齢ともに前立腺が大きくなりますが、個人差が非常に多く、高齢だから必ず肥大になる、というわけではありません。主な症状は頻尿や排尿困難ですが、自分では前立腺肥大症の重症度は判断できません。当院には、高齢の男性医師の方が多く患者さんとして来られています。医師であっても、泌尿器科専門医以外では、前立腺肥大症の程度は分からないものなのです。最近では薬物治療が大きく進歩し、手術を必要とする患者さんは減っていますが、どうしても手術でないと治らない重症の患者さんもおられます。長く放置すると一生カテーテルの お世話になるケースも時々見られますので、50歳を越えたら、前立腺癌のチェックも含めて、一度専門医を受診されることをお勧めします。
最近わが国でも激増している癌ですが、欧米ではかなり以前から男性の死亡原因の第1位となっています。高齢者に多いのが特徴で、ことに70歳以上の方に頻繁に診断されます。 当院では開院以来9年間で、約200例の前立腺癌患者さんを診断しています。 PSA(前立腺特異抗原)という腫瘍マーカーで、早期に診断される患者さんが増えています。PSA は血液で簡単にチェックできますので、50歳を過ぎたら年に1度PSAのチェックを受けられることをお勧めします。この検査は,ドックや検診で受けることができますし、内科の主治医の先生にお願いして測定してもらってもいいでしょう。正常値を超えた場合には、泌尿器科専門医に受診されることをお勧めします。
腎結石・尿管結石などがありますが、春先から夏にかけて患者さんが増加します。実は非常に頻度の高い疾患で、日本人10 人に1人が一生のうち1回は罹患する、と言われています。 尿管結石では強い疼痛や血尿をきたすことが多いですが、腎結石では通常疼痛や血尿をみることはありません。メタボの患者さんでは、無症状の腎結石を多く腎内に認めることがあります。自排が期待できない結石に対しては、体外衝撃波による砕石が第1選択で、最近では日帰りでも治療できるケースが多くなりました。 痛みが取れても結石が尿管内に留まっているケースでは,腎機能障害を起こしますので、結石が確実に排石できているか、専門医の判断が必要な場合があります。
当院には毎日平均5名の膀胱炎患者さんが受診されます。膀胱炎は冷えて起こるのではなく、通常は腸内細菌が原因であることが多く、夏になると患者さんは激増します。39℃以上の熱発があると腎盂腎炎で、全身疾患としての治療が必要になります。また男性では前立腺炎も多く、特に高齢男性では慢性前立腺炎の患者さんが増加します。前立腺炎でも高熱をきたすことがあり、女性の膀胱炎よりも難治性であることが多いです。
信頼できる調査では、ネットで販売されているED治療薬(バイアグラ・レビトラ・シアリス)は、約半数がニセモノであるとされています。誰がどこで造ったか分からない医薬品を口にすることで薬剤被害が発生しても、どこからも保障されません。ネットでED治療薬を購入することは、安全性上絶対に行ってはいけません。当院では、患者さんの安全性確認(簡単な血液検査と心電図など)を行った上で、 ED治療薬を処方しています。どうぞお気軽にご相談下さい。